2026年8月24日月曜日

NEUTRA / ローギア再考 pt.1

KEEPCAST2026でお披露目してから、様々な反響がありました。

賛否を含め、このリールについて考え、話題にしていただいたことに感謝いたします。

ギア比4.7:1 巻き取り一回転55cm

この巻き取り長は、あのクレイジークランカー(CC)と同じ数字です。

16lb / 100mというスペックも、引き抵抗のあるディープクランクを遠投し、グリグリと巻き続けるスタイルには非常に相性の良いものでした。

今でもコアなファンがいて、中古品を探して購入しているという話も耳にします。


NEUTRAのスペックは単にスローに巻けるという理由だけで決めたものではありません。

かつてCCが支持された理由のひとつでもある「巻き取り長」という要素を、

現代のルアーやタックルに合わせて、もう一度突き詰めました。


では、なぜ今ローギアなのか?

スイムベイトの話は後ほどするとして、まずはディープクランクを例に説明します。

もちろん、ローギアなら引き抵抗の大きなルアーを楽に巻けるというメリットがあります。

しかし、それだけではありません。

例えばPOLICEをノーマルギアやハイギアで巻いた場合、

着水からボトムタッチまでの潜行軌道は、ローギアとは明らかに異なります。

これはライブソナーで確認すると一目瞭然です。

ローギアでは急角度で潜行するのに対し、ノーマルギアやハイギアでは、よりナローな軌道で潜っていきます。

同じアングラーが同じテンポで巻いた場合、ローギアの方がルアーに過剰な入力を与えにくく、本来のアクションを維持したまま、より深くボトムへ送り込みやすくなります。

クランクベイトは、左右へのウォブルやロールを繰り返しながらボトムへ向かっていきます。

その振り幅を妨げず、本来のアクションを活かしたまま、ルアーをボトムへ向かわせ続ける。

それがローギアのひとつの強みです。

結果として、狙った水深のボトムを無駄なくトレースするという点において、ローギアは非常に理にかなっています。

記載してある13mに届かないという方は、

まず飛距離、ギア比、そしてラインの太さを疑ってみてください。

推奨は16lbです。


◾️リッジテール系のスイムベイト


市場には様々なスイムベイトがあり、タックルセッティングも人それぞれです。

短時間で勝負をつけなければならないトーナメント系のアングラーにとっては、手返しの良さも重要になるため、ノーマル〜ハイギアが主流です。

一方、じっくり腰を据えてトロフィーバスを狙うアングラーには、一巻き50〜60cm台前半のローギアが選ばれてきました。

ただ、現在ではこうしたスタイルをオールドスクールと捉える人もいるかもしれません。

もちろん、どちらでも魚は釣れます。どれが正解という話でもありません。


重要なのは、そのスイムベイトが

「ビルダーがどんなタックルセッティングを前提に設計したのか?」

ということだと思っています。

巻いて使うルアーには、必ず「巻き速度のスイートスポット」が存在します。



RICEはエラストマー素材、その中でも硬く高弾性の素材を採用しています。

見た目の動き以上に巻き抵抗が大きく、

ノーマルギアやハイギアでももちろん使用できます。

しかし、ローギアで巻いたときには、頭の振り幅やアクションのピッチが変わります。

自分が狙ったRICEのアクションは、ローギアを前提にセッティングしていきました。

今回、SLPワークスさん、DAIWAさん、メガテックさんの協力のもと、自分が理想としていたスペックのリールを作ることができました。

NEUTRAで目指したのは、

「楽に巻けるためのローギア」でも、
「ゆっくり巻けるためのローギア」でもありません。


ルアーが持つ本来の動きを、できる限り引き出すためのローギア。


それがNEUTRAです。



次回からはNEUTRAの細かいディテールも含めて解説していきます。